大分建設新聞

インタビュー

松尾 寿一さん(臼杵土木事務所長)

2023年06月13日
 略歴~1987年入庁。初任地の別府土木事務所を皮切りに、東京事務所行政課参事、道路建設課高速交通ネットワーク推進監兼交通政策課参事を経て今年5月から現職。
 臼杵土木事務所勤務は、1990年度からの4年間を皮切りに、合わせて4回目、通算で10年目を迎える。就任のあいさつに伺うと「行く先々で『お帰りなさい』と声を掛けてもらい、ホームに戻った気分になるとともに『任された仕事に全力で当たるのが、支えていただいている臼杵市や津久見市の皆さまへの恩返しになる』と決意を新たにした」と表情を引き締めた。
 「初めての勤務時と比べ、高速道路をはじめとする道路整備のほか、砂防事業、津久見港・臼杵港の港湾整備など、社会基盤の整備は随分進んできているが、まだまだ整備途上のものも多い。将来を見据えた計画、安心な暮らしを守る社会基盤整備などの残された課題について、メリハリのある展開を図っていく」と抱負を述べる。
 具体的には、2017年の台風18号災害からの復旧工事を進めている津久見川激特事業の竣工を真っ先に挙げた。「多くの家屋移転を伴う事業だったが、地元の方々の協力で順調に進み、竣工間近になった。最後までしっかりと工事を進める」のが当面の課題だ。
 また、東九州自動車道4車線化の進展や中九州横断道路(大分―犬飼)を見据えた道路網の在り方や、港湾の整備が最重要課題だとして「臼杵港については可動橋の設置も終わり、いよいよ上物の整備が本格化してくる。新フェリーターミナルの開港に向け、市や運航事業者と協力しながら事業進捗を図る」。また、「津久見で進めている国道217号平岩松崎BPの2期工区の事業を促進するため、JRや地元との協議を詰め、工事の実施設計完了を急ぐ」と二つの整備を挙げてくれた。
 思い出に残る事業を尋ねると「全ての事業に思い出がある」と言い、大分の宗麟大橋の工事着手、大分港西大分地区フェリー埠頭移転と、かんたん公園の整備、国道217号佐賀関・小島トンネルなどを挙げてくれた。
 職員には「危機管理体制の構築は土木事務所の使命」とした上で「近頃は経験したことがない災害がいつ起きても不思議ではない状況が続いている。有事の際に適切に対応できるよう平時からの準備が大事」と述べ、「日頃から関係者間で顔の見える関係を構築しておくことが重要」と呼び掛ける。
 「建設業は地域の振興、発展、安全・安心に欠かせない産業。人材確保に苦労しているが、魅力は十分にある。人の役に立つ仕事、感謝される仕事、知恵と工夫が生きる仕事、並べればきりがない。協会の方々と一緒にアピールしていきたい。また、協会若手技術者との意見交換を通じ、現場の課題を共有することで、よりよいものづくりにつなげていきたい」と業界にエール。
 東京での勤務から戻った頃、誘われてゴルフを再開した。「スコアは二の次!もっぱらエンジョイゴルフです!」と笑って話す。臼杵市野津町出身の57歳。
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