大分建設新聞

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ブリのフィレ加工場建設  蒲江で安全祈願祭〈県漁協〉無料

工事・計画県南地区
2023年06月05日
 県漁業協同組合が、ブリ養殖が盛んな佐伯市蒲江に養殖ブリのフィレ(3枚おろし)加工場を新設する。3日、台風2号通過の関係で、会場を建設予定地の同市蒲江畑野浦美浜の入津漁港から近くの畑野浦公民館に移して、安全祈願祭が開かれた。
 フィレ処理だけでなく、業務用として需要が見込める100㌘単位にカット可能な機械を導入する。同市米水津色利浦の既存加工場と合わせて年間100万匹の処理をする。2024年4月の操業開始を目指し、新たに15人の雇用を計画している。
 施設規模は、敷地約4000平方㍍にS造2階建て延べ約2300平方㍍の建屋。1階は加工場や休憩室のほか、集荷室、無菌加工室、冷蔵・冷凍貯蔵室、出荷施設などを設け、2階は事務所や会議室などを配置する。
 設計監理はパシフィックコンサルタンツ㈱。施工は建築本体工事を谷川建設工業㈱、生産設備一式を西日本イシダ㈱が請け負う。事業費は約24億円を見込み、国・県・市と合わせて6分の5の補助がある。
 式には中根隆文代表理事組合長をはじめ、佐藤樹一郎県知事、田中利明佐伯市長など県や市の行政や議会の各関係者のほか、施工関係者など約80人が出席。神事では発注者の中根組合長がカマを、設計監理を請け負うパシフィックコンサルタンツ九州SI事業部の金子幸司部長がクワを、施工を請け負う谷川建設工業の谷川憲一社長がスキを入れた後、代表者が玉串をささげ工事の無事完成を祈願した。
 神事後の直会で、代表者あいさつに立った中根組合長は「県が誇るブリ養殖は、全国第2位の生産量を占めている。生産量が向上するにつれ、米水津の既存施設の生産量は、当初の計画をはるかに超えたものになっている。県南の組合委員長から加工場建設を受けたのに加え、国がすすめる輸出産地に県が指定を受けたことで、漁協内、行政、関係者を交え協議した結果、海外向けの衛生基準に適応する新しい省力化施設の建設を決めた」などと述べた。
 来賓祝辞では、佐藤知事が「新しい加工場の整備は、マーケットニーズに対応できる産地供給体制の整備となる。海外を含めた取引先の幅広いニーズに対応することで付加価値を高め、漁業者の所得向上に大きく資するものになる」と期待を寄せた。終わりに施工者を代表して谷川社長が「この施設は、全国津々浦々への出荷にとどまらず、海外へ展開を計画していると聞いた。このような事業に参画できるのがうれしくあり誇りに思う。工事に当たり、パシフィックコンサルタンツさんのご指導の下、西日本イシダさんと協力して、皆さま方にご満足のいくような施設を無事故無災害で完成したい」と決意を述べた。
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