大分建設新聞

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建設から50年、感謝の集い 松原・下筌ダム〈筑後川ダム事務所〉無料

行事・講習会・表彰久大地区
2023年05月31日
 九州地方整備局筑後川ダム統合管理事務所は5月28日、下筌ダムの蜂の巣公園(日田市中津江村)で「松原・下筌ダム管理50周年記念感謝の集い」を開催した。日田市と熊本県小国町が共催し、国会議員、流域の首長、関係市・町会議員、用地提供者など83人が参加した。
 九州地整の藤巻浩之局長は、あいさつの中で、二つのダムが1952年に発生した西日本水害を機に計画・建設され50年が経ったこと、その間、蜂の巣城紛争があり、13年にわたる裁判が続いた経緯を話し、紛争の中心人物だった故室原知幸さんの『公共事業は、法にかない、理にかない、情にかなうものでなくてはならない』という考えが「その後の公共事業に一石を投じた。公共事業に関わる者として敬意を表したい」と故人を称えた。
 また、地元の理解を受けるために苦労した当時の工事関係業者に感謝の意を示し、そのおかげで令和2年7月豪雨では両ダムの運用を工夫して効果を上げたこと、さらに近年の気候変動のため豪雨や渇水などの懸念が増していることを強調、「整備局としてしっかり管理・運用していきたい」と決意を述べた。
 続いて、原田啓介日田市長は「令和2年7月の豪雨では、下筌ダムで緊急放流に踏み切ったが、下流の松原ダムがその下流への放流を抑え、市内への被害を食い止めた。日田市はこの二つのダムの恩恵を受けているということを50年の節目に思い起こし、次へとつなげたい」と感謝するとともに、近年の発災時にダム上流で土砂崩れなどが起こっており、上流の安全についても力を注がなければと警告した。
 来賓の衛藤征士郎衆議院議員も「当時、用地を提供された方々の苦痛は計り知れないものがある。その上に市民や県民の安らぎがあることを改めて思い起こし、地元の子どもたちの夢が両ダムの湖面に反映され、その恩恵を次代を担う方たちに受け継がれるように祈念したい」と祝辞を述べた。
 最後に松原ダムと下筌ダムの近くに設置された記念碑の除幕式が行われた。

一般客対象の記念祭も
 同日は一般客を対象とした記念祭も併催され、筑後川流域のご当地グルメが集合したブースや、地元小中学校の演奏やパフォーマンスによるステージイベント、佐賀市から持ち込まれた気球を上げ、上空から下筌ダムが観覧できる体験会、カラオケ大会などが催され、地元客を中心に多くの来訪者でにぎわった。
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