大分建設新聞

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5カ所を防災パト 出水期に備えて対策〈大分市〉無料

行事・講習会・表彰大分地区
2023年05月23日
 大分市は19日、近づく出水期に備えて2023年度の防災パトロールを実施した。11年に発生した東日本大震災をきっかけに、12年から台風など風水害の多発期を前に災害危険予想地域などを調査し、警戒避難体制を確立して被害拡大防止策の整備・強化を図るのが目的。
 大分河川国道事務所、自衛隊大分地方協力本部、県大分土木事務所、大分中央・東警察署、市消防局など8関係機関から37人が、市内5カ所(片島、大津留、宮河内、一尺屋、馬場)を視察した。
 出発式で菅力防災局長が「15日から6月15日まで行っている防災体制整備促進運動月間の一貫として実施。結果を関係機関と共有し、地域に適した防災対策、被害拡大防止に活用する」とあいさつ。
 過去に浸水被害があった片島地区では、3月から供用開始した「大分市公共下水道片島雨水排水ポンプ場」を視察。市下水道施設管理課太田惠参事が「3台の先行待機型ポンプは、事前に運転が可能な立軸斜流ポンプ(全速全水位先行待機型)を採用。3台による毎秒18立方㍍の迅速な排水により、浸水被害の軽減を実現した」など、最新技術の共用施設の効果を説明した。
 パトロール終了後、5地域の危険度判定会議を開き、被害予想が大きい方からA・B・Cの3段階に分けて判定、それぞれ被害の防止策を進めるための必要な対策を検討した。
 取材した片島のポンプ場は、外構工事はまだ未完成だが、最新型ポンプの稼働により危険度はAからBへ引き下げられた。また宮河内もAからBへ引き下げ。大津留、一尺屋、馬場の3地域は、対策工事中のため見直しはなかった。
 防災危機管理課は「今後も関係機関と協力し、減災と被害防止の強化を目指して体制強化を図りたい」としている。
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