大分建設新聞

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「山国橋」土木遺産に 中津で認定書贈呈式〈土木学会〉無料

行事・講習会・表彰県北地区
2023年05月01日
 大分県と福岡県が管理する県道中津吉富線の県境を跨ぐ「山国橋」が2023年度の土木学会選奨土木遺産に認定され、4月27日に土木学会(東京・上田多門会長)西部支部による認定書贈呈式が県中津総合庁舎で行われた。
 山国橋は、昭和初期に建設されたRC造の橋長214・37㍍の長大橋であり、ゲルバー桁や二穴式の煉瓦積み橋脚を有する地域の貴重な土木遺産であることから認定された。
 この認定制度は00年に設立され、例年全国で20件程度を認定し施設管理者に認定書と銘板(青銅製30㌢×20㌢)を授与している。
 式では、西部支部選奨土木遺産選考委員会の本田泰寛委員長が関係者に感謝の意を表し「選考には社会へのアピール、土木技術者へのアピール、まちづくりへの活用、保存という大きな目的が設定されている」と説明。同委員会の羽野暁委員が「昭和9年(1934年)、100年近く前に完成した橋。現存しているものは少なく、技術的な価値、文化的な価値、地域にとって愛着がある系譜的価値が高い」と選定理由を説明した。
 本田委員長が田中修県中津土木事務所長と西亮福岡県京築県土整備事務所長にそれぞれ認定書を手渡し、池畑義人委員と羽野委員が銘板を手渡した。
 受贈者を代表して田中所長が「実に90年の長きにわたり、福岡県と大分県の交流を支え続けてきた橋。デザイン性もさることながら、現在もなお現役で1日1万5000台の交通量を支える橋。技術力の高さや先見性がうかがえる。認定を励みにしっかりと維持管理を行い、地域の歴史的、文化的資産としての価値を高めることで、まちづくりに貢献できるよう務める」と謝辞を述べた。
 来賓を代表して国土交通省山国川河川事務所の中元道男所長が「山国川は下流から上流までほかの川にない素晴らしい景観がある。この景観を引き立てているのは橋。今回の認定で橋自体の持つ歴史的価値と地域のポテンシャルがさらに一段上がった。河川事業の側面から魅力を支える仕事ができれば」と祝辞を述べた。
 式の後、山国橋に移動して山国橋を背景に記念撮影を行った。
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