大分建設新聞

インタビュー

河野 志歩さん(小田開発工業㈱)

2023年04月26日
 県体育保健課が県内のアスリートの競技力向上を目指して取り組んでいる、トップアスリート就職支援事業(アスナビ・チーム大分プロジェクト〈アスナビPJ〉)。この事業を通じて昨年4月、佐伯市の小田開発工業㈱に入社した河野志歩さんに仕事への意気込み、抱負を聞いた。
 河野さんは、地元佐伯市東町の出身。小学校1年生で陸上競技を始め、中学、高校、大学と隣りの宮崎県で400㍍ハードルを主とした競技生活を送った。
 2021年11月、佐伯で初めて開かれたイベント「佐伯がイチバン☆」のストリートランに参加したところ、共通の知人を通じて小田剛史社長と知り合い、同社が取り組んでいるアスナビPJを聞いたのがきっかけ。就職活動を通じて高まっていた「競技を趣味で続けるのでなく、競技者として続けたい」という思いがあり、職場体験への参加を申し込んだ。
 職場体験では、同PJの先輩にあたる工務部の山本匠子さん、齋藤未来さんの会社紹介や、社員の仕事に対する思いに触れ「この会社は、温かい雰囲気を感じる。高校、大学と学んできた分野と畑は違うが、この会社なら仕事をしながら競技を続けていけそうだ」と強く思ったそうだ。
 入社後は、二人のPJ先輩をはじめ周りの社員の指導の下、ICT情報化施工の基礎データにあたる3DデータをCADソフトを使って描く作業を勉強中。
 競技面では、毎日午後4時に仕事から上がり、市内の陸上競技場などで県内の高校生と一緒に3時間ほど練習する。400㍍ハードルの五輪代表だった成迫健児さんの指導を定期的に仰いでいる。
 今年4月から、初めての現場として、大分57号上鹿口地区道路改良(その1)工事に配属された。「一日でも早く仕事の流れを覚え、現場代理人から指示されるのではなく、率先して代理人のサポートができるようになりたい。10月には受験資格を得られる2級土木管理技士に挑戦する」と。
 一方の競技面では「入社して最初の大会で、小田開発工業の名前がアナウンスされた時、本当にうれしかった。改めて会社の一員として頑張っていく自覚をさらに強く持つことができた。また、仕事をしながら競技を続けられることへの感謝を忘れず、会社の皆さまや地域の方々に心から応援される選手になれるよう努めていきたい」と語り、「夢は全日本実業団対抗陸上競技選手権で優勝し、オリンピック出場!」ときっぱり。
 小田社長は「アスリートでもある彼女に合った働き方を探していけば、後に続く人も希望が持てると思う。河野さんには、是非とも陸上と仕事を両立し夢を実現してほしい」と話した。
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