大分建設新聞

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新隣保館が完成 人権啓発の拠点に〈豊後大野市〉無料

工事・計画豊肥地区
2023年04月06日
 豊後大野市大野町田中に建設された新しい隣保館の開館式が1日、現地で行われた。関係者ら約30人が出席し、建物の完成を祝った。老朽化した既存施設の建て替えに伴う建設で、今後は地域の人権啓発の拠点として活用していく。
 新隣保館は「道の駅おおの」の向かい、大野支所の隣に、既存の隣保館「解放会館」の跡地に建設された。旧施設が築後38年を経過し老朽化したこと、バリアフリーに対応していなかったことなどから建て替えが検討され、2022年9月から工事に着手していた。
 新しく建設された隣保館は、敷地4484平方㍍にW造平屋453・055平方㍍。設計を㈱高野建設1級建築士事務所(高野幸雄所長)が、施工を㈲宮成工務店(宮成孝治社長)が、電気・機械設備工事を㈱九電工大分支店(船津英嗣執行役員支店長)がそれぞれ請け負った。工期は22年9月~23年3月まで、建設費用は周辺工事を含む約1億6595万円。
 新隣保館は主に県産材のスギを使用しており、段差のないバリアフリー仕様で靴のまま利用できる施設。雨の日に高齢者が利用する際、車を横付けしての乗り降りでも濡れないよう、軒を長く取るなどの工夫がされている。集会室、研修室などの五つのルームに加え、ロビーには人権に関するフリー図書コーナーも設けた。福祉の向上や人権啓発の住民交流の拠点となるコミュニティセンターとして、今後活用していく予定となっている。
 開館式には川野文敏市長をはじめ、衛藤竜哉市議会議長、地元自治会員、施工各社の代表など約30人が出席。川野市長が「施工各社さまのおかげで、このような立派な施設に生まれ変わることができた。差別をなくすための活動施設として大いに活用し、部落差別解消、地域の皆さんに親しまれる施設にしていきたい」とあいさつ。その後、施工に携わった3社の代表へ感謝状が手渡された。
 これを受け、受賞者を代表し宮成社長が「市の重要な建物の工事に携わることができうれしく思う。感謝状もいただき、従業員たちにとっても今後の励みとなる」など謝辞を述べた。
 その後、関係者らがテープカットを行ったほか、地元の「最乗寺子ども太鼓」が春の桜が舞う中で太鼓の演奏を披露し、完成と供用開始を祝った。
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