大分建設新聞

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グリーンエルムの西野さん アトツギ甲子園最優秀賞〈日出町〉無料

製品・技術・企業別国地区
2023年03月27日
 全国の中小企業の若手後継者が新規事業のアイデアを競う、中小企業庁主催の「第3回アトツギ甲子園」で、㈱グリーンエルム(日出町、西野浩行社長)の西野文貴さんが最優秀賞(中小企業庁長官賞)を受賞した。20日に日出町役場で優勝報告が行われ、新たなビジネスモデルを用いた今後の企業発展について語った。
 グリーンエルムでは、植物生産や植生復元プランニング、コンテナ植物生産、植栽計画の立案などを手掛けている。西野さんは社長の次男で現在取締役、今年10月から社長に就任予定、長男の西野友貴さんが専務取締役に就任予定となっている。
 西野さんは、東京農業大学で治山・緑化工学研究室の特別研究員の経歴を持ち、林学博士としての知識を生かして、兄と一緒に考えた新規事業の案を基に「第3回アトツギ甲子園」にエントリー。全国の約200社が参加する中から、書類選考、九州、西日本ブロックの予選を勝ち進み、最終5人が挑む3月3日の決勝大会(東京都)に挑んだ。
 発表事業は「林学博士が挑む!経済と生態系を循環させる『里山ZERO BASE』」と題したもので、地域の学校や子どもたちを巻き込んだ、種子や苗木の植栽などから行う「地元に愛される森づくり」と、企業のCSR(社会的責任・地域貢献など)への出資をマッチングさせたもの。地元に眠る休閑地に森づくりをすることで、林業の発展、減災機能の強化、子どもたちに地元愛を「植える」ことが狙いで、人と自然の距離を縮める新しいビジネスモデルであることや、取り組みへの熱量が高く評価され、最優秀賞を受賞した。
 20日に社長、兄と共に役場を訪れた西野さんは、本田博文町長へ優勝を報告。本田町長は「町内の企業が素晴らしい賞を受賞したことをうれしく思う。町内のほかの事業者に対してもいい刺激になる。今後もさらに事業を発展させ、地域を盛り上げてくれることを期待する」と激励した。
 西野さんは「発表した事業を実現させ、実績をつくることが大切。日本は緑の森づくり先進国だが、会社のある日出町から世界トップクラスの森づくりを進めていきたい」と熱く語った。
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