大分建設新聞

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アーケードの解体へ 楠銀天街が支援を〈別府市〉無料

行政・統計・データ別国地区
2023年02月09日
 別府市南部の楠銀天街(楠町・千代町)の「楠銀天街検討委員会」は6日、別府市役所を訪問し、長野恭紘市長に今後の街づくりの方針について報告を行い、商店街の老朽化したアーケードの解体、撤去について「地元の力だけでは困難。市に支援を求めたい」と訴えた。
 同検討委員会は、地元南部地区の自治会員、地元関係者、商店街店主などで構成される「南部ひとまもり・まちまもり協議会」の委員14人で構成されている。同日は11人が市役所を訪問した。吉田隆委員長(南地区自治委員会支部長、協議会副会長)は「商店街を通行する人の安全が最優先だが、アーケードは老朽化が進み、街灯も足が折れたり、足元もタイルが剥げ段差ができていたりと、安心して通れる状態ではない。地元が主体となって具体的な取り組みを進めていくが、市の支援、協力をお願いしたい」と、商店街の危険な状況を訴えた。長野市長も深刻に受け止め「市にできることは最大限協力する」と力強く応えた。
 楠銀天街は長さ350㍍、隣接する東別府に最も近い南部地区の商店街。ピーク時は約100店舗の商店が軒を連ね、にぎわいのある商店街として繁栄した。近年では近くにある「清島アパート」が注目され、アーティストやクリエーターの居住・制作の拠点として県外からも同エリアが注目を集めている。
 しかし、レトロな雰囲気ながら、アーケードは屋根の破損や配線の垂れ下がり、支柱の傾きや腐食が多く見られ、街灯の修理も行われていない。そのため夜は真っ暗となり防犯上の問題も発生している。空き店舗や空き地も点在しており、このうち千代町にある所有者不在の空き店舗2戸は、倒壊上の危険から9日には市が建物を取り壊す略式代執行を行った。
 検討委員会では今後、具体的な期日は明らかにしていないものの▽まちづくりに伴う新たな組織づくり▽他市における成功例の勉強会開催▽アーケードの解体にかかる費用の見積もり―などについて話し合い、活動を続ける。
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