大分建設新聞

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土木の分野をテーマに SDGsの研究発表〈大分工業〉無料

行事・講習会・表彰大分地区
2023年01月20日
 大分工業高校(佐藤啓治校長)は17日、同校で土木科3年生による昨年7カ月間にわたって行われた課題研究の発表会を開いた。土木科の1・2年生と3年生の保護者、土木科職員、実習に協力した大分河川国道事務所大野川出張所の山本貴之所長、㈱コイシの小原文男社長、タナベ環境工学㈱の後藤弘樹常務ら約130人が参加した。
 2022年度は、産学官連携によるSDGs(持続可能な開発目標)の研究として『「土木」について知識・技術の深化のために』をテーマに河川環境・土木施工・DX(デジタルトランスフォーメーション)の3研究班に分かれ、昨年6月から12月までの7カ月間研究に取り組んだ。
 河川環境研究班は、環境に配慮した自然を生かした土木工事の在り方について調査と研究を目的に、協力会社から講義を受けたり、九州で初となる大分川賀来地区の低炭素化コンクリートブロックを活用するSDGs型の堤防補強のモデル工事やトンネル工事を見学、また水生生物と水質調査も体験した。
 土木施工研究班は3班に分かれ、1班はいつも利用している科棟前の側溝と定時制の駐輪場の整備―小さな破損部分を補修することで洪水などを防ぐことにつながることを知り、土木の奥深さと意義を学んだ。2班は正門前の一時停止ラインを引く作業―先生や同級生と協力しながら丁寧に作業することの大切さを学んだ。3班は軽石の活用方法の研究―環境問題にもなっている軽石を使用したモルタル板品質評価試験などで有効活用を研究。大学レベルの透水・吸水・含水率試験や大学教授の説明を受けたり有意義な経験をした。
 DX研究班は、DXによる技術革新について研究―図面の作成と3D化を行うCIM体験、ICT施工の現地体験やドローンの空撮などを体験した。
 研究成果の発表後、保護者からは「子どもたちの立派な研究発表を聞き、災害について学ぶことができた。この3年間の成長を感じる。これから社会人になる自覚が備わっていることにとても感激した」など称賛の感想が続出。最後に大野川出張所の山本所長が「イラストや動画を使って分かりやすく堂々とした説明に感心した。素晴らしい発表だった。土木業界は今、大きく変化しようとしている。君たちを業界全体でフォローアップしていきたい」とエールを送った。
 今回の研究に協力した会社は次の通り。(日程順)
▽タナベ環境工学㈱、㈱川原建設、㈱コイシ、ダイエーコンサルタント㈱、NEXCO西日本、戸田建設㈱。
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