大分建設新聞

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別府タワー大規模改修 季節色でライトアップへ〈開世通商〉無料

工事・計画別国地区
2022年09月05日
 別府市のシンボルである別府タワー(国登録有形文化財)が大規模改修工事に入っている。最上階の展望台をリニューアルするほか、鉄骨部の塗装、照明の改修などを実施し、2023年1月のリニューアルオープンを目指している。
 現在タワーを所有している開世通商㈱(兼光郷道代表取締役副社長)によると、最上階の展望台の最終営業日を8月21日とし、翌22日から一時休館に入った。市の夜のネオン広告として親しまれてきた「アサヒビール」の文字取り外しは6月に完了。現在は17階の観光用展望台内部の改修、5階に新たに設置する休憩所、トイレの新設工事などが行われている。施工は堤建設工業㈱(大分市、堤伊佐子社長)が請け負っており、工期はネオン撤去の5月10日から11月末まで。事業費は非公開としている。
 別府タワーは1957年、梅林建設㈱により建築されたRC造高さ90㍍の17階建て。2007年には国登録有形文化財(建造物)に登録された。21年3月に同社がタイホーレジャーグループ(別府市)から取得し営業を行っている。現在は1階にカフェ、2階に美術館別府アートミュージアム、4階にカラオケ店がテナントとして入居しており(営業中)、最上階の17階が展望フロア(休業中)となっている。
 リニューアル計画の概要は、エレベーター1基を追加する1階エントランスの改装と外壁塗装、また鉄骨部の塗装を建築当時のグレーに復元する。17階の展望台は、窓枠のないガラス張りに改修、望遠鏡の増設も行う。5階には、人工芝もしくはウッドデッキで設置する中間展望デッキを新設、多目的トイレの新設などを計画している。
 なお、同社によると、現時点でタワーへの新たなネオン広告を導入する予定はなく、照明を増やし、季節やイベントごとに色を変えるライトアップを行う予定だ。
 兼光副社長は「貴重な文化財でもあることから、改修工事はさまざまな制約が伴う。しかし、コロナ禍の状態から回復傾向を見せる別府の街に勢いを取り戻すべく、また地元の人にも愛され続けるタワーになるようリニューアル工事を実施している。楽しみにしてほしい」と自信を見せた。
 同社は別府タワーのほかにも、観光事業として稲積水中鍾乳洞の経営や城島高原パーク内施設の経営なども手掛けている。
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