県企業局でのインターンシップ 産業を支える現場を体験
2021年12月16日
大分工業高校(原勇人校長)では、11月9日~11日までの3日間、電気科の2年生4人がインターンシップ(職場体験実習)を行った。望ましい勤労観・職業観の育成、職業に関する実際的な知識や技能の習得などを目的に現場実習に取り組んだ。インターンシップは自治体や多くの県内企業が受け入れているが、今回は県企業局でのインターンシップを取材した。
参加した4人が3日間で4講座を研修した内容を紹介する。
▽講座名(担当部署)=①項目②研修場所
◇第1講座
9日の第2講座では、ドローンの研修を受けた。
まず、会議室でドローン操縦者育成研修を座学で学んだ。内容は、許可が必要な空域および飛行方法についてなど。
座学が終わると、パソコンを用いたシミュレーターで、パソコン画面の中で飛ぶドローンを操作器で操作して実際の操作感覚を体感した。続いて、企業局の担当者が屋内で小型ドローンを実際に飛行させるところを見学した。
その後、大野川の白滝取水口対岸に場所を移してドローンの操縦研修を行った。
まず、企業局の担当者が注意事項を説明した後、お手本となる操縦を披露し、生徒も1人ずつ操縦を体験した。
生徒は「操縦はうまくいった。思っていたより高く遠くまで飛ばすことができた。就職したら仕事でも使ってみたい」と全員が同様にドローンの魅力を感じていた。
11日の第4講座では、工業用水浄水場点検の研修を受けた。
まず、工業用水道管理部の津末昌宏部長が工業用水道事業の概要を説明した。内容は、用水の仕組みから始まり、コスト意識、用水の利用先として九州唯一の製油所、九州電力の発電所など県としての重要性を話した。さらに、重要な施設への安定供給の取り組みとして、用水を止めない仕組みである給水ネットワーク再構築事業を紹介した。ここで紹介した三佐配水ポンプ場は当日の午後研修した。
月に2回行っている定期巡視にならって、判田浄水場の内部の一連の施設を浄水場の水の流れに沿って、それぞれの施設の役目について説明を受けながら巡視して点検をした。点検の際には「ミスを防止するために声出しをしながら行うこと」と、企業局の担当者が見本を見せた。さらに「点検には計測器などを使用するが、異常は五感を使って感じることが大切だ」と強調した。
判田浄水場での施設の点検が終わると、いったん外に出て白滝取水口に向かった。
現地では、大野川の河岸に降りて水を取り入れて汲み上げ、次の工程である判田取水場に水を送るという流れに沿った説明を受けた。また、取水塔現場盤、取水口計装盤の点検も行った。
その後は、取水の次の工程になる判田取水場に移動した。
判田取水場では、浄水場に送る前に大野川の表流水から砂れきを取り除く沈砂池の機能の説明を受け、実際にろ過する
装置を動かすところを実習、測定、見学した。
その後、取水場の建屋の中に入り、取水ポンプを実際に見ながら説明を受けた。
最後に取水場を動かす受電設備と、非常用自家発電機の説明を受け、決して水を止めない安定した供給を実現する仕組みを研修した。
午後は、施設の漏電を防ぐために行っている保守点検の目的を理解した上で、絶縁抵抗測定の実習を行った。資料を熟読した後で、企業局の担当者の説明を熱心に聞いた。そして、生徒による実際の測定では、稼働中の施設なので皆んな緊張して確実に測定した。
最終日の午前中の研修を終えたところで、生徒に感想を聞いた。
相馬虎太郎さんは「学校の授業より奥深いことを学ぶことができた」、眞木大豪さんは「設備が凄いので、学校でやっている専門的なこと以上の研修ができた」、青松来樹さんは「北川ダムでは機械が想像以上に大きくて、貴重な体験ができた」、山本玲央さんは「最初は緊張したが、企業局の方々がみんな親切でじっくりと研修できた。計測など学校で学んでいることが実際に役に立つことがわかったので、学校でちゃんと学ばなければならないと思った」と、それぞれが企業局でのインターンシップの成果を話した。
小畑組でインターンシップ
大分工業高校土木科2年生
大分工業高校土木科2年生は、1日から2日にかけてインターンシップをした。自治体など4ヵ所、民間企業15ヵ所に分かれて参加した中、㈱小畑組(由布市、小畑博文代表取締役社長)でインターンシップを体験した2人の生徒を取材した。
小畑組では、2日間の独自のカリキュラムを作成して生徒を迎え入れた。まず、会社概要の説明からスタートしたが、2日間を社員と同様に過ごすため、社内規則や社会人としてのビジネスマナーを学んだ。中でも、安全衛生を第一にするための作業態度や心構え、危険予知活動を明確に説明した。
現場では、工事概要に加えて現場ルール、安全のための注意事項、朝の打合せ内容の確認などによって、安全第一とコミュニケーションの確保から始めた。
現場体験の最初は、地上レーザースキャナーによる3次元測量の実習、3D用CADソフトによる3D図面の作図実習に取り組んだ。
次に、ICT建機による施工デモンストレーションを行った後、実際に運転席に座って、ICT建機の一つ一つの機能と操作について説明を受けた。
ドローンの操作実習では、決められた飛行を行うだけではなく、写真撮影も体験した。そして、実際に作業をしている現場を見ながら、それぞれの工程の説明を受けた。
先輩たちの体験談報告では、同校を今年卒業して同社に就職したばかりの先輩と、5年が経過した先輩の話を聞いた後、質疑応答で不明な点をクリアにした。
実習の最後には、同社が手がけた過去の工事完了現場も見学した。
同社はタイムスケジュールを進める中で、合間を見て生徒が何でも質問できる時間を作っていた。生徒からは「入社して慣れない頃はどうすればいいのか」、「入社したらどんな資格、免許が必要か」など積極的な質問が出ていた。
最後にインターンシップを終えた2人に感想を聞いた。
小野智広さんは「学校の授業でも画素寸法という数値は耳にするが、実際の画面を見ながら説明を聞くことで、より理解が深まった」と感想を述べ、有田啓吾さんは「学校の実習も凄いと思っていたけれど、本当の現場のスケールの大きさに驚いた。建機は危険だと感じていたけれど、ICT建機を現場で見て安全で安心できることを実感した。土木に対する興味が増して楽しく感じられた」とインターンシップの成果を話した。
ドローンで出前授業
県協議会が佐伯豊南高校で
県ドローン協議会測量・点検・調査分科会は(伊東修会長、17社)は11月19日、佐伯豊南高校で「ドローンの現状と未来」をテーマに出前授業をした。工業技術科の生徒11人(土木系6人、機械・電気系5人)が出席した。
同高によると、「生徒たちがドローンに関する法律を学ぶことも期待しているが、当校に導入したドローンを有効活用し、将来的には当校で実技講座が設けられるところまでつなげたい。その足がかりになればと協議会に声をかけた」という。
最初の授業は座学で、伊東会長が「ドローンの現状と未来」と題して①ドローンの基礎知識②ドローンの現状③各種ドローンの紹介④今後の展開―を説明した。
基礎知識としてドローンの定義、歴史、仕組み(構造)から入り、現状は多くの法律に規制されながら使用されているが、いずれは規制が緩和され、道路や橋、トンネル、ダムなどさまざまなインフラの点検に欠かせない有用な手段になると、将来の大きな方向性をわかりやすく説明した。
県が西日本一のドローンの集積地を目指していることから、ドローン協議会がニーズとシーズをマッチングするドローンビジネスプラットフォーマー事業に取り組んでいることも紹介した。
そして、法整備が出来上がればドローン産業が飛躍的に伸びてくるのは必至で、その中で建設業界のICT化も進めることができる。ただし、ICT化により情報はたくさん収集できるが、今度は解析が大変になるのでハードとソフトの両輪で進めていかなければならないと付け加えた。
測量を行う場合、以前は長い期間山に入る必要があったが、ドローンを使うことによって、なんと3ヵ月の測量期間が1日に短縮できる。また、施工の場合でも、災害時の2次災害のリスクが大幅に低減される、とドローンの圧倒的なメリットを強調した。
さらに赤外線カメラを搭載したドローンでは、モルタルを吹き付けた法面のスクリーニングや、夜行性動物のイノシシの生態・行動調査にも役立っていること、今や防災や減災にも必要不可欠になっていることを説明した。
ドローン自体の操縦は難しくないが、業務で訓練を積みドローンの機能を活かしてほしい。そして、飛行形態レベル4(※)とその実現に向けて完全な目視外飛行をするには何が必要かが大切。非GPSでも安全安心な飛行をしなければならないなど、大分県の技術レベルは高いことを紹介した。最後に「土木が良い仕事だと少しでも判ってくれればうれしい」と座学を結んだ。
座学の後は、同高グラウンドに場所を移してドローンの操縦を体験した。最初に㈱テクノコンサルタントの土師さんが、レーザー測量用大型ドローンや水中ドローン、AI技術を活用した橋梁点検用ドローンなど実機の特徴を1台ずつ説明し、大型ドローンによるデモンストレーション飛行を行った。
その後、操縦の注意点を説明し、土師さん指導の下に11人の生徒全員が一人ずつ操縦を体験した。操縦体験が終わった後、質疑応答の時間をもうけた。
生徒を代表して岡本健士朗さんが「私たちのために貴重な時間をつくってくれたことに感謝している。ドローンの操縦はなかなか(実現)できない楽しい学習だった。この経験を将来役立てられるように頑張りたい」とお礼を述べた。
出前授業を終えて土木系の生徒2人に感想を聞いた。白井友雄さんは「今の土木の最新技術、とくに水中、水上ドローンについては知らなかったので学べて良かった。操縦は学校にあるものと操作方法が違うので難しかった」と話し、河野巧虎さんは「技術の進歩を学べたこと、特にAI技術については初めて学べて良かった。ドローンの操縦は思ったより難しかった」と話す中で「将来はドローンを使う仕事に携わりたい」と2人は口をそろえた。
※飛行形態レベル4=有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(補助者なし)。都市部でのインフラ点検、都市の物流や警備、発災直後の救助、避難誘導、消火活動の支援などができるレベル。
参加した4人が3日間で4講座を研修した内容を紹介する。
▽講座名(担当部署)=①項目②研修場所
◇第1講座
- 送電線・保護装置(施設管理室)=①送電線の説明、送電線路点検(芹川線ナンバー13)②送電線芹川篠原線
- ドローン研修(施設管理室・発電管理部)=①ドローン映像視聴、パソコンシミュレーター、ドローン飛行見学・操縦②発電・ダム棟、白滝取水口対岸
- 水力発電所点検(発電管理部)=①電気事業の説明、絶縁抵抗測定②北川発電所
- 工業用水浄水場点検(工業用水道管理部)=①工業用水道事業の説明、浄水場機器の点検巡視、電気設備絶縁抵抗測定、給水ネットワーク再構築事業説明②判田浄水場、取水場、三佐配水ポンプ場
9日の第2講座では、ドローンの研修を受けた。
まず、会議室でドローン操縦者育成研修を座学で学んだ。内容は、許可が必要な空域および飛行方法についてなど。
座学が終わると、パソコンを用いたシミュレーターで、パソコン画面の中で飛ぶドローンを操作器で操作して実際の操作感覚を体感した。続いて、企業局の担当者が屋内で小型ドローンを実際に飛行させるところを見学した。
その後、大野川の白滝取水口対岸に場所を移してドローンの操縦研修を行った。
まず、企業局の担当者が注意事項を説明した後、お手本となる操縦を披露し、生徒も1人ずつ操縦を体験した。
生徒は「操縦はうまくいった。思っていたより高く遠くまで飛ばすことができた。就職したら仕事でも使ってみたい」と全員が同様にドローンの魅力を感じていた。
11日の第4講座では、工業用水浄水場点検の研修を受けた。
まず、工業用水道管理部の津末昌宏部長が工業用水道事業の概要を説明した。内容は、用水の仕組みから始まり、コスト意識、用水の利用先として九州唯一の製油所、九州電力の発電所など県としての重要性を話した。さらに、重要な施設への安定供給の取り組みとして、用水を止めない仕組みである給水ネットワーク再構築事業を紹介した。ここで紹介した三佐配水ポンプ場は当日の午後研修した。
月に2回行っている定期巡視にならって、判田浄水場の内部の一連の施設を浄水場の水の流れに沿って、それぞれの施設の役目について説明を受けながら巡視して点検をした。点検の際には「ミスを防止するために声出しをしながら行うこと」と、企業局の担当者が見本を見せた。さらに「点検には計測器などを使用するが、異常は五感を使って感じることが大切だ」と強調した。
判田浄水場での施設の点検が終わると、いったん外に出て白滝取水口に向かった。
現地では、大野川の河岸に降りて水を取り入れて汲み上げ、次の工程である判田取水場に水を送るという流れに沿った説明を受けた。また、取水塔現場盤、取水口計装盤の点検も行った。
その後は、取水の次の工程になる判田取水場に移動した。
判田取水場では、浄水場に送る前に大野川の表流水から砂れきを取り除く沈砂池の機能の説明を受け、実際にろ過する
装置を動かすところを実習、測定、見学した。
その後、取水場の建屋の中に入り、取水ポンプを実際に見ながら説明を受けた。
最後に取水場を動かす受電設備と、非常用自家発電機の説明を受け、決して水を止めない安定した供給を実現する仕組みを研修した。
午後は、施設の漏電を防ぐために行っている保守点検の目的を理解した上で、絶縁抵抗測定の実習を行った。資料を熟読した後で、企業局の担当者の説明を熱心に聞いた。そして、生徒による実際の測定では、稼働中の施設なので皆んな緊張して確実に測定した。
最終日の午前中の研修を終えたところで、生徒に感想を聞いた。
相馬虎太郎さんは「学校の授業より奥深いことを学ぶことができた」、眞木大豪さんは「設備が凄いので、学校でやっている専門的なこと以上の研修ができた」、青松来樹さんは「北川ダムでは機械が想像以上に大きくて、貴重な体験ができた」、山本玲央さんは「最初は緊張したが、企業局の方々がみんな親切でじっくりと研修できた。計測など学校で学んでいることが実際に役に立つことがわかったので、学校でちゃんと学ばなければならないと思った」と、それぞれが企業局でのインターンシップの成果を話した。
小畑組でインターンシップ
大分工業高校土木科2年生
大分工業高校土木科2年生は、1日から2日にかけてインターンシップをした。自治体など4ヵ所、民間企業15ヵ所に分かれて参加した中、㈱小畑組(由布市、小畑博文代表取締役社長)でインターンシップを体験した2人の生徒を取材した。
小畑組では、2日間の独自のカリキュラムを作成して生徒を迎え入れた。まず、会社概要の説明からスタートしたが、2日間を社員と同様に過ごすため、社内規則や社会人としてのビジネスマナーを学んだ。中でも、安全衛生を第一にするための作業態度や心構え、危険予知活動を明確に説明した。
現場では、工事概要に加えて現場ルール、安全のための注意事項、朝の打合せ内容の確認などによって、安全第一とコミュニケーションの確保から始めた。
現場体験の最初は、地上レーザースキャナーによる3次元測量の実習、3D用CADソフトによる3D図面の作図実習に取り組んだ。
次に、ICT建機による施工デモンストレーションを行った後、実際に運転席に座って、ICT建機の一つ一つの機能と操作について説明を受けた。
ドローンの操作実習では、決められた飛行を行うだけではなく、写真撮影も体験した。そして、実際に作業をしている現場を見ながら、それぞれの工程の説明を受けた。
先輩たちの体験談報告では、同校を今年卒業して同社に就職したばかりの先輩と、5年が経過した先輩の話を聞いた後、質疑応答で不明な点をクリアにした。
実習の最後には、同社が手がけた過去の工事完了現場も見学した。
同社はタイムスケジュールを進める中で、合間を見て生徒が何でも質問できる時間を作っていた。生徒からは「入社して慣れない頃はどうすればいいのか」、「入社したらどんな資格、免許が必要か」など積極的な質問が出ていた。
最後にインターンシップを終えた2人に感想を聞いた。
小野智広さんは「学校の授業でも画素寸法という数値は耳にするが、実際の画面を見ながら説明を聞くことで、より理解が深まった」と感想を述べ、有田啓吾さんは「学校の実習も凄いと思っていたけれど、本当の現場のスケールの大きさに驚いた。建機は危険だと感じていたけれど、ICT建機を現場で見て安全で安心できることを実感した。土木に対する興味が増して楽しく感じられた」とインターンシップの成果を話した。
ドローンで出前授業
県協議会が佐伯豊南高校で
県ドローン協議会測量・点検・調査分科会は(伊東修会長、17社)は11月19日、佐伯豊南高校で「ドローンの現状と未来」をテーマに出前授業をした。工業技術科の生徒11人(土木系6人、機械・電気系5人)が出席した。
同高によると、「生徒たちがドローンに関する法律を学ぶことも期待しているが、当校に導入したドローンを有効活用し、将来的には当校で実技講座が設けられるところまでつなげたい。その足がかりになればと協議会に声をかけた」という。
最初の授業は座学で、伊東会長が「ドローンの現状と未来」と題して①ドローンの基礎知識②ドローンの現状③各種ドローンの紹介④今後の展開―を説明した。
基礎知識としてドローンの定義、歴史、仕組み(構造)から入り、現状は多くの法律に規制されながら使用されているが、いずれは規制が緩和され、道路や橋、トンネル、ダムなどさまざまなインフラの点検に欠かせない有用な手段になると、将来の大きな方向性をわかりやすく説明した。
県が西日本一のドローンの集積地を目指していることから、ドローン協議会がニーズとシーズをマッチングするドローンビジネスプラットフォーマー事業に取り組んでいることも紹介した。
そして、法整備が出来上がればドローン産業が飛躍的に伸びてくるのは必至で、その中で建設業界のICT化も進めることができる。ただし、ICT化により情報はたくさん収集できるが、今度は解析が大変になるのでハードとソフトの両輪で進めていかなければならないと付け加えた。
測量を行う場合、以前は長い期間山に入る必要があったが、ドローンを使うことによって、なんと3ヵ月の測量期間が1日に短縮できる。また、施工の場合でも、災害時の2次災害のリスクが大幅に低減される、とドローンの圧倒的なメリットを強調した。
さらに赤外線カメラを搭載したドローンでは、モルタルを吹き付けた法面のスクリーニングや、夜行性動物のイノシシの生態・行動調査にも役立っていること、今や防災や減災にも必要不可欠になっていることを説明した。
ドローン自体の操縦は難しくないが、業務で訓練を積みドローンの機能を活かしてほしい。そして、飛行形態レベル4(※)とその実現に向けて完全な目視外飛行をするには何が必要かが大切。非GPSでも安全安心な飛行をしなければならないなど、大分県の技術レベルは高いことを紹介した。最後に「土木が良い仕事だと少しでも判ってくれればうれしい」と座学を結んだ。
座学の後は、同高グラウンドに場所を移してドローンの操縦を体験した。最初に㈱テクノコンサルタントの土師さんが、レーザー測量用大型ドローンや水中ドローン、AI技術を活用した橋梁点検用ドローンなど実機の特徴を1台ずつ説明し、大型ドローンによるデモンストレーション飛行を行った。
その後、操縦の注意点を説明し、土師さん指導の下に11人の生徒全員が一人ずつ操縦を体験した。操縦体験が終わった後、質疑応答の時間をもうけた。
生徒を代表して岡本健士朗さんが「私たちのために貴重な時間をつくってくれたことに感謝している。ドローンの操縦はなかなか(実現)できない楽しい学習だった。この経験を将来役立てられるように頑張りたい」とお礼を述べた。
出前授業を終えて土木系の生徒2人に感想を聞いた。白井友雄さんは「今の土木の最新技術、とくに水中、水上ドローンについては知らなかったので学べて良かった。操縦は学校にあるものと操作方法が違うので難しかった」と話し、河野巧虎さんは「技術の進歩を学べたこと、特にAI技術については初めて学べて良かった。ドローンの操縦は思ったより難しかった」と話す中で「将来はドローンを使う仕事に携わりたい」と2人は口をそろえた。
※飛行形態レベル4=有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(補助者なし)。都市部でのインフラ点検、都市の物流や警備、発災直後の救助、避難誘導、消火活動の支援などができるレベル。