大分建設新聞

特集記事

2021年度県溶接技術競技会  寒さの中で火花を散らす

2022年01月14日


 県と県溶接協会(山下輝之会長)は19日、県工業連合会と㈱日刊工業新聞の後援のもと大分市皆春のポリテクセンター大分で2021年度大分県溶接技術競技会を開いた。県内の9事業所から溶接技術者24人が出場した。
 同競技会は今年で64回を数える歴史があり、幅広い産業分野の基盤技術である溶接技術の向上を図るとともに、翌年度の九州溶接競技会・全国溶接競技会の出場者選考を兼ねて、毎年この時期に開いている。
 今年は、新型コロナ対策のため開会式などは省略した。
競技課題は、手溶接、半自動溶接とも共通で、薄板(4・5㍉)の立向溶接と中板(9㍉)の横向溶接の二つ。競技時間は二つの課題で55分。手溶接の部15人と半自動溶接の部9人が溶接技術を競った。

 競技材の審査は、外観試験、放射線透過試験、曲げ試験の総合評価で入賞者を決め、22年2月末頃に表彰する予定。
 各部門の優勝者は、22年開かれる全国大会に出場する予定で、その前に優勝者を含む上位入賞者5人は同年開かれる九州大会に出場する予定。
 競技を終えた㈱江藤製作所の岩尾美和さんに感想を聞いた。
 21年3月まで日出総合高校で溶接競技に取り組んできた岩尾さんは「練習の成果は出せたが、高校の時の競技会と比べて課題の難しさと競技者のレベルの高さを実感した」と話し「もっと練習を積んで、これからも大会へのチャレンジを続けていきたい」と意気込みを述べた。
 同社の上司、須賀正敏さんは「競技会の案内がきて、会長から勧められた岩尾さんはやる気満々で参加した。入社してまだ9ヵ月しかたっていないのによく頑張った」と称えた。
 競技を終えてすぐに上司、先輩に結果を報告していた㈱三井E&Sマシナリー大分工場の松村倫太郎さんにも話を聞いた。
 中津東高校の2年生の時に県高校溶接競技大会で優勝している松村さんでも、この競技会に出るための所内の出場枠をなかなか得ることができず「入社して5年目にして初めて参加できた」と嬉しさを語った。会社ではガントリークレーンの製作に携わる松村さんだが「競技会はレベルが高く、良い成績を残さなければならない緊張感で慌ててしまった」と結果を分析しながら「よい会社に入れたので、少しでも力になりたい」と向上心溢れる感想を述べた。


参加者の氏名、所属会社は次の通り。
  • 氏名(年齢)=所属名

◇手溶接の部
  • 松田亮介(28)=㈱スガテック大分支店(東京都港区、上野浩光代表取締役社長)
  • 和田裕也(25)=同
  • 矢野勝(25)=同
  • 外山貴裕(33)=山九㈱大分支店(東京都中央区、中村公大代表取締役社長)
  • 後藤翔大(23)=同
  • 齋藤高秀(39)=平和扶桑テクノ㈱(大分市、中條克紀代表取締役社長)
  • 岩尾美和(19)=㈱江藤製作所(大分市、岡陽一代表取締役社長)
  • 荒巻祐太(30)=日鉄テックスエンジ㈱(東京都千代田区、藤野伸司代表取締役社長)
  • 佐藤将吾(30)=同
  • 大塚友貴(24)=同
  • 野田悠輝(24)=同
  • 坂本慎司(21)=同
  • 桒田瑞希(19)=同
  • 橋本佳奈(22)=日本製鉄㈱九州製鉄所大分地区(東京都千代田区、橋本英二代表取締役社長)
  • 井下恵(24)=同
◇半自動溶接の部
  • 山本龍治(26)=㈱三井E&Sマシナリー大分工場(東京都中央区、田中一郎代表取締役社長)
  • 佐藤一仁(32)=同
  • 谷村堅斗(23)=同
  • 松村倫太郎(23)=同
  • 芦森駿介(31)=同
  • 益田慎之助(20)=博陽工業㈱大分工場(熊本市、川島豊代表取締役社長)
  • 小島圭裕(35)=同
  • 二宮弘毅(33)=同
  • 甲斐浩一(37)=日鉄テックスエンジ㈱。
フォトコン結果発表
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP